2014年4月3日木曜日

今はボトムアップで

社会起業家が自分たちのやっていることをアピールするプレゼン大会があり、何回か参加したことがあります。当日のプレゼンというより、そこまでの過程やそのあとのフォローを重視しているプロジェクトで、現在も続いています。(Social Entrepreneur of the Year in Japanとか社会イノベーター公志園) 4~5年前だったと思いますが、女性の委員の方が講評で言っていたひと言を最近よく思い出します。『あまり急ぎ過ぎないほうがいい…』

高く評価された活動のひとつに在宅医療の仕組を確立し、それを進化させていくプランがありました。プレゼンターはハーバードでも学んだ優秀な医師の方で、在宅医療の世界ですでに地道に活動を始めていました。私は起業支援もしているのですが、なかなかよくできたプランだと思いました。大きな夢に向かって、ビジネス的な視点がありました。ただ、短期間の拡大プランが少し野心的すぎだったかも知れません。

講評をされた方は、長年NPOの立ち上げや運営をリードされ苦労されてきた方で、実際に進めていくと、地道に越えなければならないハードルがいっぱいで、でも、得られるものも とても大きいということを十分過ぎるほど分かっていらしたのだと思います。

ソーシャルビジネスやNPOでは、本来、草の根的なボトムアップが大事です。大きな動きにしていくことも大事で、より広範な人々の支援や活動拡大のために、トップダウン的な視点も必要です。このボトムアップとトップダウンというのは、どちらか一方だけではうまくいかず、その兼ね合いがケースバイケースで難しいですね。

プラネットカナールは、まだ、それ以前で、“何かプロジェクトをとにかくやってみる”段階です。最小限の体制と学びと小さな実績が必要で、他力ではなく地道にボトムアップで進めるしかありません。楽などできません。特徴である“輸送の隙間活用”のまえに、まずは、ボランティア活動の実績づくりを地縁を大切にしながら進めていこうと思っています。