2014年6月16日月曜日

リスタート

SFCのブログを投稿してから、昔の自分は“自分でやりたいことがわかっていたのだろうか…とふと思いました。感受性はつよかった小学生時代、あまり考えがなかった中学時代、自我が目覚めはじめたの高校時代、この頃いろいろ考えてはみました...

そのあとの節目節目で、一応、進む方向をある程度は考えました。大学に入るときも、就職するときも、残りの人生を考えるときも、転職するときも、アーリーリタイアメントするときも...

若いころは“憧れ”というより“格好よさへの憧れ”を消去法で消しながら...器用貧乏、限られた時間、二兎負うものは一兎も得ず...などがキーワードでした。若くなくなると、寂しいかな出来そうなことが見えてしまい、だいぶ絞られてきた憧れというか“やりたいこと”の強さを比べながら...選択と集中がキーワードだったかもしれません。

方向を選択して、そのあとが肝心なのに、若いころはコンスタントに積み上げることが苦手で、要領も悪かったので、道に迷い流されることが多かったなぁとつくづく思います。

SFCにそんな昔の自分が入ったら、やはり自分で大学生活を組み立てることができたか自信はありませんが、少なくとも、入ったあとも嫌でも考えなくてはならず、目的志向でHOWを組み立てなくてはならず、道に迷うことは少なかったかもしれません。怠け者で要領が悪いという致命的なハンディがあったので、最後までやり通せたかは疑わしいですが...

現在は、当時と比較にならないほど、やりたいことを決めるための情報が溢れ、かなりの情報を容易に入手できます。学生たちには大変プラスなはずです。ただ、溢れる情報のなかに溺れているひともいるかもしれません...しっかりした学生なら、自分で自分の大学生活を組み立てることはできるでしょう。

でも、やはり、経験のすくない学生たちですから、勘違いや選択の間違いも多いことと思います。就職の第二新卒というのは、以前はどうかと思ったのですが、必要な仕組かもしれません。勘違いや間違い、更には失敗を前提にしたシステムが、ダイナミックな社会をつくっていくのではないでしょうか。 “やり直し”ができる社会にしていくことが鍵ではないか…そこに尽きるのではないかと思うようになりました。

米国では、日本のベンチャーキャピタルのように起業家から個人の担保などとろうとすることなどなく、投資家やエコシステムがリスクをとります。お金持ちの桁が違うこともあるかもしれませんが。ですから、失敗してもやり直しがききます。経営者を探すときに、わざわざ、失敗を経験した人を探すくらいです。日本は一度失敗すると、昔ほどではありませんが、まだまだ、次に受け入れられないところが残っていますね。

個人の成長を助けるために、もっと社会が成長する必要があります。社会の成長のためにも、個人が失敗を恐れず成長していけることが大切です。社会に入ってから堅実すぎた私が言っても迫力はありませんが...

2014年6月13日金曜日

慶應SFCは“これから”がいっぱいでした

SFC パンフレットより
昨日、慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス(SFC)に初めて行ってきました。緑多いキャンパスを歩いていると、娘が卒業した米国の小さな私立大学を思い出しました。SFCの建物は殆どコンクリートの打ちっぱなしで新しく、とても現代的ですが。

授業も米国っぽく、休み時間に教室から出てくる学生たちは、“これから”に満ち溢れていました。

教授会室からはとても美しい森が見えるのですが、将来、学生寮など含め海外からの学生を受け入れ未来を創る場にしていくそうです。鉄道もキャンパスまで延びるらしいです。

“Design Yourself”ということで、学部(総合政策・環境情報)や文系・理系の壁はなく、必須科目や選択科目もなく、自分の“やりたいこと”に必要な科目をとり、自分で何かを創造したり、解決したりできるようになることを目指しています。先端のことを、実用につながるように実践的に学び、人とコミュニケーションしながらグローバルな視点をもって思考できるように...と配慮されているそうです。この24年いろいろな試行錯誤を繰り返し今でもチューンアップしている...と総務課長さんが説明してくれました。新川崎ほど大きくはありませんが、学生の起業を支援するインキュベーション施設もあり、看護医療の学部も少し離れたところにありました。

今なら、私も自分でやりたいことを決めて大学生活を組み立てることはできると思います。もう一度、学生生活やり直したいなぁとも思いました。でも、私の学生時代にこの大学に入ったら、多分、私は迷子になっていたでしょう。そういう私であり、そういう時代でもありました。大学や大学院に行きなおしているひとは沢山いますが、私はやめておきます...可能性が広がることは素晴らしいことであり、大変なことですね。私はOJTでいきます(笑)

学食では学生の中で、サラダの量り売りと、200円強の昔ながらのカレーライスを食べました。一度は行っておこう…ぐらいの気持ちだったのですが、大変インスパイアされた1日でした。学生たちの“今とこれから”を感じ、自分にもまだもう少し“今とこれから”があることをリマインドさせられました。

2014年6月9日月曜日

微妙なバランスの上の今一瞬

風が吹くと桶屋が儲かるという話がありますが、ヒマラヤをつくるくらいの地殻大変動と海と風が梅雨をつくり、海流が雪をつくり、雪解け水が落葉広葉樹森をつくって、チャレンジャーのSnow Monkeyを北限に導いたのです。桶屋のたとえはイマイチでしたが、長い年月をかけて壮大な積み重ねがあったお蔭で今があります。私たちの小ささを身に染みて感じ、本当のPlanetTimeを感じます。

名も知らぬ小魚が日本海を支え、日本列島は800気圧の世界で生きる魚が住む今尚未知の真っ暗な深海に囲まれ、4つのプレートが出会う微妙なバランスの上に私たちはいます。国境などないプラネットを流れる鉄と海の生態系、海と海流に囲まれた島国に住む日本人は、プラネットワイドの視点をもっと持てるはずです。

豊かさを支える絶妙なバランスはどこかひとつが狂えば全てを失ってしまいます。温暖化で100年後に温度が3℃上昇するとサンゴ礁も死に、オホーツクの海が凍らないと大陸からの鉄も運ばれてこなくなるそうです。いくつもの幸運な偶然が積み重なって今があることに感謝し、バランスを崩さないように努力していきたいものです。


番組は日本列島のことでしたが、もっと大きなプラネットを感じさせてくれました。太陽系3番目のプラネットは銀河系や宇宙全体からみると気が遠くなるほど小さい訳で、そう考えると気がおかしくなります。でも、ときどき、そんな時間や空間を、少なくともプラネットを感じるのはよいですね。慌ただしい毎日の中で、季節を感じ、今一瞬の価値を感じられたらいいですね。

2014年6月8日日曜日

奇跡の日本列島 アムール川の鉄分が…

アムール川はモンゴル・中国・ロシアの湿地を貫く大河ですが、大地からの大量の鉄をオホーツク海に流しているのだそうです。

鉄は海水に溶けにくく沈みやすいので、河口付近の海底に沈殿してしまいますが、水深400m付近を流れる冷たい水の流れが鉄を運ぶというのです。アムール川河口では、真水だけが凍って流氷になりますが、残った塩分の濃い水が、その冷たい水となり下に沈み、海底の鉄を流しながら海流に乗って南下します。そして、千島列島にぶつかり北上、たまたま島々の切れ目で海底が深く切れ込んだブッソル海峡を抜けて親潮と合流します。

普通海水には鉄は含まれていないそうですが、植物プランクトンが成長するのに欠かせない物質だというのが不思議です。こうして、アムール川から2000㎞、親潮と共に流れてくる鉄のお蔭で、日本の周りの海は鉄の濃度が赤道付近の100倍以上もある豊かな海になっているそうです。

春になると海に光が差し込み、水温が上がると植物プランクトンが鉄を吸収して爆発的に増殖します。その豊な海では、多くの生き物で沸き立ちます。体調8メートルの海の生態系の頂点に立つシャチも子連れで数百頭現れるようです。こういう偶然の積み重ねのお蔭で、海が豊かになったとは全く知りませんでした。

2014年6月7日土曜日

奇跡の日本列島 4つの海溝と謎の深海魚

日本の周りの海は、8割が1000mを超す深い海、深さ6000m超の海溝は、千島カムチャッカ海溝、日本海溝、伊豆・小笠原海溝、琉球海溝と4つもあります。


東京大海洋研究所提供
暗く光合成ができないから水深200m以上に植物プランクトンもいなくなります。しかし、マリンスノーという海面近くから落ちてくるプランクトンの死骸があり、それをエサとしている深海魚が沢山いるようです。

千葉県館山から南東に海の谷が広がっていますが、茨城県沖日本海溝の水深7703mで、世界で最も深い場所で生きる不思議な魚が見つかったそうです。30㎝ほどのシンカイクサウオという魚の仲間で、800気圧(小指に軽自動車を載せた重さ)なのに平気で泳いでいるらしいです。その説明はできないそうです。

身近にある海にも謎が満ち溢れている…というか、知らない世界がいっぱいなのに気づかされます。そして、その魚の一生を考えると不思議な気持ちになります。

2014年6月6日金曜日

奇跡の日本列島 謎の小魚と日本海

キュウリエソ NHKスペシャル日本列島 奇跡の大自然より
わずか一種類の謎の小魚が日本海を生んだ...というか、今も食物連鎖で生態系を支えているというから驚きです。その4㎝ほど幻の魚の名前はキュウリエソ。

2万年前氷河期で日本海が湖のようになったとき、水の流れがなくなり酸素が極端に減って魚は絶滅したそうです。氷河期が終わり海水面が元に戻ったとき、寒さに強いキュウリエソの独壇場となり急増したそうです。

日本海で推定2兆2千億匹が水深200m以上水温1℃の暗い海底に近いところに生息し、夜になるとプランクトンを食べに海面近くに移動するそうです。NHKスペシャルではじめて生きているところを撮影されたというくらいのよくわかっていない魚です。その小魚が浅い海のブリ、マアジ、ハタハタなど、海底のカニなどのエサになり日本海を支えているから不思議ですね。

そういう隠れた小さな存在が本当は世界を支えているのですね。

2014年6月5日木曜日

奇跡の日本列島 海流

日本の海の水温差は20℃あり、太平洋のハワイとアラスカの海の温度差にあたるそうですが、海流がその温度差をつくり、知床に流れ着く南限の流氷から北限のサンゴ礁まで、バラエティに富んだ海をつくっています。


暖かく透明で黒い海流 黒潮は、風と地球の自転により、太平洋の赤道付近を東から西に流れ、フィリピンの島々にぶつって北上しています。幅100㎞時速7㎞という世界一の海流は南の熱や魚を運んでいます。ヒマラヤと同様、島々の地形に恩返しはできないけれど、フィリピンに住む人々に何かできればと、ふと思います。

カムチャッカから南下する冷たい親潮は、リンや窒素など、植物プランクトンが成長するのに欠かせない栄養分が豊富で魚育てる母の潮とも呼ばれています。

銚子沖から北海道釧路沖にかけて、このふたうの海流が出会い大規模な“潮目”ができ、そこには1000頭を超えるカマイルカの大群やクロマグロなどの回遊魚も集まるそうです。エサは動物プランクトンが目当てに集まるイワシなどの小魚で、動物プランクトンは植物プランクトンを食べる…という連鎖です。三陸沖を豊かな漁場にしているそうです。

大量の植物プランクトンがつくる直径200㎞以上の渦が宇宙から見えるそうですが、暖かい水の塊が渦となり、海流から切り離されできるようです。黒潮の熱で、親潮の栄養分が海面に押し上げられ、生き物を引き寄せる渦だそうです。

『目に青葉 山ホトトギス 初鰹』、初夏に黒潮にのって北上する初カツオも。北の海で小魚をたくさん食べて、秋に北から南下する脂ののった戻りカツオも、おいしいですね。海流にのってくる四季を昔から楽しんでいる日本人は幸せです。

2014年6月4日水曜日

奇跡の日本列島 世界一の日本の海

奇跡のような偶然が世界一の日本の海をつくってきて、日本には地球上の海の全てが揃っているそうです。

世界に23万種の海の生き物がいるそうですが、その15%にあたる34,000種が日本の海にいます。毎年冬になると浅い暖かい小笠原諸島に回りには100頭を超えるザトウクジラが出産と子育てのために現れます。イルカやクジラが25種ほど現れるそうで、そこは海の哺乳類の宝庫でもあります。

知床には南限の流氷が流れ着きます。水温が夏でも18℃の寒流は、成長に必要な栄誉分が豊富で、たくさんの海藻の海は小さな生き物の隠れ家となっており、それを狙う大きな生き物も300種以上集まります。 そして、水深10,000mの深海があります。暖流のお蔭で北限のサンゴ礁もあります。

海に囲まれた日本は海洋資源も豊富で、海の上の見えない線の引き方で、昨今、いろいろありますね。Non-Political Organizationのプラネットカナールとしてはコメントは差し控えますが、もっとプラネットレベルの視点で解決の方向を見出すことはできないのでしょうか。


2014年6月3日火曜日

奇跡の日本列島 北限のSnow Monkey

雪解け水が育んだ落葉広葉樹の森がニホンザルを北限まで導いた』

西日本と海岸線に生息していたブナをはじめとする落葉広葉樹が、多様な地形と海のおかげで氷河期でも生き残り、北へ広がっていきました。

熱帯に住むサルが日本に渡り、氷河期でやはり絶滅寸前になったものの、彼らが好む落葉広葉樹が広がると、生き残ったニホンザルが、数千年かけて兵庫あたりから最北の下北半島にたどりつきSnow Monkey(英語名?)になったそうです。それはほんの6~7000年前のことらしく、年月が経っていないので(?)、東北のニホンザルのDNAは1種類だということです。

北限のSnow Monkey NHKスペシャル 日本列島 奇跡の大自然より
彼らは実にチャレンジャーだったのですね。豊かな木の実や皮を食料とできる幸せな季節はよいのですが、冬は大変厳しく、乏しい食料のなかで寒さに耐え体重も大分減るそうです。でも運よく温泉につかれるSnow Monkeyもいるようですね。

父母が小さい頃、私にスキーをさせてくれました。『冬の寒さに負けず、寒さに向かっていくように…』と誰かに話しているのを聞いたことがあります。残念ながら、その私は今、寒さに向かうどころか炬燵で丸くなりっぱなしです。。。Snow Monkeyはえらい!

2014年6月1日日曜日

奇跡の日本列島 対馬海流と雪と森

黒潮から分岐した対馬海流 NHKスペシャル 日本列島 奇跡の大自然から
氷河期の日本列島には雪が降らず、日本海は凍りついていてシベリアからの冷たい風が吹き荒れていたそうです。1万年ぐらい前、氷河期が終わる頃、急速な温暖化で氷河が溶け海面が上昇し、朝鮮半島と日本列島の間に海水が流れ込み湖状態だった海が本当の海になりました。

太平洋赤道付近からフィリピンの島々や大陸にぶつかり太平洋を北上している世界最大の海流 黒潮が、そのとき分岐して日本海に流れ込み対馬海流ができたそうです。これは海流の分岐だけでなく、日本列島の運命をも変えたのです。

日本海が暖かくなり大量の水蒸気が雲となり、北からの風に運ばれ、列島中央の隆起した山脈にあたります。そのときから昔地理でならった形ができたそうです。日本海側や山に雪を降らすようになり、世界一の豪雪地帯にまでになりました。

そして、雪がもたらす雪解け水が日本列島の落葉広葉樹の森を育んだのです。これは生態系や季節からみると、とても大きいことだそうです。

人間も、雪に苦労しながらも、長い時間かけて雪とうまく付き合ってきました。(都会に住む私などは、苦労は殆どしてませんが....) 雪というと、ひと時ほどではないかもしれませんが、雪のスポーツをイメージするひとも多いと思います。ひとそれぞれの雪の思い出もあるでしょう。自然を感じるひと、ロマンティックな何かを感じるひと、いろいろだと思います。

でも、次に雪が降ったときは、私は、この壮大な自然の奇跡を思い出すことでしょう。