ソチ冬季オリンピックの開会式でトルストイの小さなことにこだわったのは、ちょっと前にNHKアーカイブスで 『トルストイの大地~辻井喬のロシア・ユートピア巡礼~』という番組を観たせいだと思います。
作家の辻井喬さん(西武の堤さん)が 大地を耕し懸命に生きる農民に心を寄せたトルストイゆかりのユートピアの村を訪ねるのですが、ロシアの“広大な大地”と“たくましい農民”、そして“トルストイ”の凄さが十分過ぎるくらい伝わってくるドキュメンタリーでした。
ロシア通信から |
農民の犠牲の上になりたつ特権階級として苦悩したトルストイは農民の“子供のための本”の完成に命をかけ、悪を悪で返さない主義や菜食主義を貫き、正直すぎる人だったようです。自然も人も皆“つながっている”といい、ユートピアを求めてシベリアなどに自給自足のコミューンをつくり、弾圧をうけたそうです。ソ連崩壊後、トルストイに共感した人びとがユートピアの村を再び、よみがえらせようとしているのですが、楽ではない…というより厳しい現実が…そんな中、皆たくましく生活しています。
トルストイの『復活』でも読んでみようかと思わせる素晴らしい内容でした。