2014年6月5日木曜日

奇跡の日本列島 海流

日本の海の水温差は20℃あり、太平洋のハワイとアラスカの海の温度差にあたるそうですが、海流がその温度差をつくり、知床に流れ着く南限の流氷から北限のサンゴ礁まで、バラエティに富んだ海をつくっています。


暖かく透明で黒い海流 黒潮は、風と地球の自転により、太平洋の赤道付近を東から西に流れ、フィリピンの島々にぶつって北上しています。幅100㎞時速7㎞という世界一の海流は南の熱や魚を運んでいます。ヒマラヤと同様、島々の地形に恩返しはできないけれど、フィリピンに住む人々に何かできればと、ふと思います。

カムチャッカから南下する冷たい親潮は、リンや窒素など、植物プランクトンが成長するのに欠かせない栄養分が豊富で魚育てる母の潮とも呼ばれています。

銚子沖から北海道釧路沖にかけて、このふたうの海流が出会い大規模な“潮目”ができ、そこには1000頭を超えるカマイルカの大群やクロマグロなどの回遊魚も集まるそうです。エサは動物プランクトンが目当てに集まるイワシなどの小魚で、動物プランクトンは植物プランクトンを食べる…という連鎖です。三陸沖を豊かな漁場にしているそうです。

大量の植物プランクトンがつくる直径200㎞以上の渦が宇宙から見えるそうですが、暖かい水の塊が渦となり、海流から切り離されできるようです。黒潮の熱で、親潮の栄養分が海面に押し上げられ、生き物を引き寄せる渦だそうです。

『目に青葉 山ホトトギス 初鰹』、初夏に黒潮にのって北上する初カツオも。北の海で小魚をたくさん食べて、秋に北から南下する脂ののった戻りカツオも、おいしいですね。海流にのってくる四季を昔から楽しんでいる日本人は幸せです。