2014年6月8日日曜日

奇跡の日本列島 アムール川の鉄分が…

アムール川はモンゴル・中国・ロシアの湿地を貫く大河ですが、大地からの大量の鉄をオホーツク海に流しているのだそうです。

鉄は海水に溶けにくく沈みやすいので、河口付近の海底に沈殿してしまいますが、水深400m付近を流れる冷たい水の流れが鉄を運ぶというのです。アムール川河口では、真水だけが凍って流氷になりますが、残った塩分の濃い水が、その冷たい水となり下に沈み、海底の鉄を流しながら海流に乗って南下します。そして、千島列島にぶつかり北上、たまたま島々の切れ目で海底が深く切れ込んだブッソル海峡を抜けて親潮と合流します。

普通海水には鉄は含まれていないそうですが、植物プランクトンが成長するのに欠かせない物質だというのが不思議です。こうして、アムール川から2000㎞、親潮と共に流れてくる鉄のお蔭で、日本の周りの海は鉄の濃度が赤道付近の100倍以上もある豊かな海になっているそうです。

春になると海に光が差し込み、水温が上がると植物プランクトンが鉄を吸収して爆発的に増殖します。その豊な海では、多くの生き物で沸き立ちます。体調8メートルの海の生態系の頂点に立つシャチも子連れで数百頭現れるようです。こういう偶然の積み重ねのお蔭で、海が豊かになったとは全く知りませんでした。